【管理番号】第1098590号
【総通号数】第55号
(190)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】商標審決公報
【発行日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2002-6967(T2002-6967/J1)
【審判請求日】平成14年4月22日(2002.4.22)
【確定日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【審決分類】
T18 .262-Z (Z293032)
T18 .263-Z (Z293032)
T18 .272-Z (Z293032)
【請求人】
【氏名又は名称】ピー・ジェー・ビーン・カンパニー・インコーポレーテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国ニューヨーク州11416-1727,オゾン・パーク,アトランティック・アベニュー10030番
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】柳生 征男
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 和博
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 泉
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 博通
【事件の表示】
商願2001-31154拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
【理 由】
1 本願商標
本願商標は、「PLANET JAVA」の欧文字を標準文字で書してなり、第29類「乳製品(バターを除く。),加工野菜及び加工果実,なめ物」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,食品香料(精油のものを除く。),菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、平成13年4月4日に登録出願(パリ条約による優先権主張2000年12月5日アメリカ合衆国)されたものである。
2 原査定の理由
原査定において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして、その出願の拒絶に引用した登録商標及び同法第4条第1項第16号に該当するものとした拒絶の理由は以下に掲げるものである。
(1)引用商標
(a)登録第2475899号商標(以下「引用A商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成2年10月9日に登録出願、第4類「化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、同4年11月30日に設定登録、同14年11月19日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(b)登録第3169438号商標(以下「引用B商標」という。)は、「PLANET」「プラネット」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成5年6月22日に登録出願、第30類「茶,コ―ヒ―及びココア,氷,菓子及びパン」を指定商品として、同8年6月28日に設定登録されたものである。
(c)登録第4438292号商標(以下「引用C商標」という。)は、「プラネット」の片仮名文字を標準文字で書してなり、平成11年12月29日に登録出願、第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,アーモンドペースト,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,酒かす,澱粉を原料とした錠剤の加工食品」を指定商品として、同12年12月8日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第16号
本願商標は、商標構成中にインドネシア共和国の主島である「JAVA」の文字を有しているから、これを本願指定商品中インドネシア共和国産の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、前記のとおり、「PLANET JAVA」の文字を書してなるところ、その構成中の「PLANET」の文字は、「惑星」を意味する語として親しまれており、「JAVA」の文字は、インドネシアの主島である「ジャワ(島)」を意味するものと認められ、本願指定商品中「コーヒー、コーヒー豆」等の産地、販売地を表示するためのものとして普通に用いられているものと認められる。また、「JAVA」の文字は、ジーニアス英和辞典(大修館書店)、新英和中辞典(研究社)によれば、「(ジャワ産の)コーヒー」を意味する語であることも認められる。
そうすると、本願商標は、構成文字全体が特定の成語、熟語等を表現したものとして一般に親しまれているものではなく、該構成中後半の「JAVA」の文字が外国の地名等として良く知られており、取引者、需要者をして商品の品質を表示したものと理解させるにとどまり、自他商品の識別機能を果たし得ないというべきであるから、該構成中前半の「PLANET」の文字部分を自他商品の識別標識としての機能を有する主要部分ととらえて取引に資することも少なくないというのが相当である。
しかして、本願商標は、該「PLANET」の文字部分に相応して「プラネット」の称呼、「惑星」の観念を生ずるものといわなければならない。
他方、引用A商標ないし引用C商標は、後掲及び前記のとおりの構成文字に相応して、それぞれ「プラネット」の称呼、「惑星」の観念を生ずるものといわなければならない。
してみれば、本願商標と引用各商標とは、「プラネット」の称呼、「惑星」の観念を共通にするものである。
したがって、本願商標と引用各商標とは、外観において相違するとしても、「プラネット」の称呼、「惑星」の観念を共通にする全体として相紛らわしい類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用各商標の指定商品とは、同一又は類似するものと認められる。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本願商標の構成中「JAVA」の語は、商品の品質を表示するものとして普通に使用されていることは、前記したとおりである。
してみれば、本願商標は、その指定商品中「インドネシア共和国産の商品」以外の商品に使用するときには、該商品が「インドネシア共和国産の商品」であるかのごとく、該商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
(3)結論
以上、本願商標を商標法第4条第1項第11号及び同項第16号に該当するものとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
【審理終結日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【結審通知日】平成16年1月9日(2004.1.9)
【審決日】平成16年1月21日(2004.1.21)
【審判長】 【特許庁審判官】田辺 秀三
【特許庁審判官】柳原 雪身