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「商標」

 

(著者) 網野誠

(出版社)有斐閣

 

(内容)

①商標制度を体系的に説明した一冊である。

②法律改正に対応して何回か再版されており、新しい制度に関しても十分解説してある。

③もっとも必ずしも初心者向けという訳ではないので、初学者にとっては難しい箇所もある。工業所有権逐条解説などを並行して読み進めるのがよいと思われる。

④単に現行制度の解説だけではなく、商標の歴史についても解説してあり、商標を深く学ぼうとする。

⑤判例に関しても、登録要件(商標法第3条、第4条)を中心に豊富な判例情報があり、実務でこの登録要件について知りたいと思ったときに、大いに役立つ。実践的な本である。

 

(所見)

 商標法の制度趣旨では、工業所有権逐条解説(いわゆる青本)の説明が非常に好評ですが、逐条解説は現行法(昭和34年法)の改正からスタートしており、そのためにあえて解説を省略している部分があります。商標の歴史は非常に古く、当然に工業所有権制度が設立される前から、社会に大きな影響を与えていました。従ってそこのところを理解しないと、商標法はよくわかりません。

 この「商標」という本は、商標の歴史やその中で生じてきた機能にも十分に解説しており、本格的に商標法を学ぶ上で役立つ本です。

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